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ガランチャのカルメン

今週の21日にBS-Hiで放映された、メトロポリタン・オペラのカルメンを観ました。

エリーナ・ガランチャは私の大好きな歌手ですので、ワクワクして観たのですが、
はっきり言って、彼女にはカルメンは向いていないですね。
エリーナは体当たりの演技で悪女カルメンに挑戦していましたが、女狐のような美貌が邪魔をして、
私のカルメン像にはフィットしませんでした。

ガランチャのカルメン_b0177792_16275154.jpg
 

以前メトのオペラで見たロッシーニの「チェネレントラ(シンデレラ)」は本当に適役だったのですが・・・。
しかし、歌についてはメゾ・ソプラノとしての彼女独特の歌声を充分楽しむことが出来ました。
1幕のホセに縄を解いて欲しいと口説く「セギディーリャ」は特に良かったですね。



それにしても、エリーナ嬢がこんな巨乳の持ち主とは知りませんでした。
ビックリしました。

ホセのアラーニャはイマイチでしたね。2幕の「花の唄」や終幕の聞かせ所で
声が上ずって失敗したように聞こえました。
ミカエラのフリットリは、年齢が高すぎるのが難点でしたが、歌はさすがに良かったですね。

若いヤニック・ネゼ・セガンの指揮する音楽は何とも盛り上がりが少なく、
今まで観た数あるカルメンの中でも低ランクに位置付けられます。

私にとっての最高のカルメンは、何といってもクライバー指揮のカルメンです。
カルロス・クライバーが作り出す抜群の音楽、ホセ役ドミンゴの圧倒的な歌声、
オブラスツォワの観る人に悪女と思わせないカルメンの演技、
本当に歴史に残る公演だと思います。
by osamukunn | 2011-02-25 16:29 | クラシック音楽 | Comments(2)
Commented by パパゲーノ at 2011-02-27 16:39 x
そう言えば最初にosamukunnからお借りしたのがクライバー指揮のカルメンでした。確かにガランチャはカルメンよりチェネレントラの方が似合っていると思いますが、誘惑されるとなるとオブラスツォワのカルメンよりガランチャのカルメンを希望します。巨乳かどうかに関わらず。
ガランチャのカルメン、あちらこちらで演出に?でした。オペラにそんなリアリティーは必要ないと。
Commented by osamukunn at 2011-02-27 17:31
パパゲーノさん、こんにちは。
確かに美貌、体形はオブラスツォワよりガランチャの方が断然上ですが、
クライバーのカルメンを観ると、オブラスツォワ演じるカルメンが
何とも憎めなくなってしまいます。逆に、ちょっと可哀想に思えるぐらいです。
ラストではカルメンの方からナイフを持ったホセに抱きつきに行き、
トランプ占いで何度も「死」になるという運命に従うことになります。

私にとってカルメンは悪女ではなく、死という運命から逃れられない
哀しい女性だと思います。